鋼製魚礁


伊根町では沿岸域において漁場造成事業を行っています。その中で釣漁業を対象に 、魚を集め、また保護や育成を目的として行ったのが鋼製魚礁の設置事業です。


鋼製魚礁の始まり

 鋼製魚礁は古船魚礁に端を発したものと思われます。難破等の理由により沈没した船の 周辺で魚が多く獲られており、現在においても漁業者の人気は衰えることがありません。
京都府においても海洋調査船「平安丸」が平成9年に新造される際、先代「平安丸」を魚礁 として沈設しています。
しかし、古船はエンジン、油圧等多くの部分に油が使われており、 そのまま沈設することは海洋汚染につながる危険もあります。 そのため、油を抜き出し洗浄することが必要となりますが、多額の経費が 掛かり経済的ではなく、費用対効果を考えると事業として採択されにくいものでした。
そのため、以前の魚礁はコンクリート魚礁が多く用いられてきましたが、京都府沿岸域の海底は 砂泥で、埋没してしまう危険性が非常に高いのです。そこで登場したのが鋼製魚礁です。

鋼製魚礁とは

 鋼製魚礁はその名のとおり鋼材を使い骨組みにして魚礁を構成しており、漁業者の要望も 高く、耐用年数の30年は埋没の危険性が無く、また耐用年数経過後数年で自然に帰るのも鋼製 魚礁の利点と言えます。
なかには「鋼材が30年錆びずに保つのか」という疑問をお持ちの方も いらっしゃることでしょう。しかし、錆は「酸化」とも言うように、酸素と結合してはじめて錆 びるので、陸上より酸素の量がはるかに少ない数十メートル海底では30年間海底に鎮座するこ とが可能なのです。
設置については平成4年から平成15年まで毎年行われ、計画的に数基づつ沈設されつづけ、 事業は完了しております。

その効果

通常鋼製魚礁は沈設より約2年経過後には付着物が付き、魚礁としての効果を最大限発揮 します。魚礁は、カワハギ、クロソイ等の「魚礁に棲む魚」のみを集めるのではなく、魚礁に 集まる・付着する小型生物等を餌とするヒラメ、タイ類等、また、魚礁が起こす「湧昇流」 (水面付近まで海流を立ち上げる流れ)により表層へ刺激を与え、ブリ、アジ等「回遊性の魚」も 集めます。平成11年8月にROV(TVカメラを内蔵した有線ロボット)を 使い実施した潜水調査で、平成9年度に沈設した魚礁を調査しました。その結果、海域中層 にマアジの大群、魚礁内部にはクロソイ、カワハギ、マトウダイ等がみられ、魚礁はその能力を 最大限発揮していることが確認できました。その後も季節季節によりいろいろな魚が魚礁へ集ま っていると考えられています。



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